捨てるシステム

こころがつらくなる一つの原因は
忘れられないことだ

いつまでもこころに残っているから
苦しみもなくならない

どうすれば捨てることができるだろうかと考える

事務所でも自分の部屋でも捨てるシステムができていれば
整理しやすい

どれは捨てる、どれはどこに収納する、何年は保存する、
捨てる場合にはどうやって捨てる、
そのようにして捨てるシステムができていると整理ができる

誰でも昔のものを見ているといろいろな感慨にふける
それで時間がなくなったりする
結局捨てられないでずっと残したりすると
能率が悪くなる

古い対人関係パターンばかり持ち出していたのでは
現在の人が参ってしまう

昔の話だがあるおばあちゃんが言っていた
うちの娘が私の古い湯飲みを捨てようとする
もう古いし欠けているから新しいのにしなさいという
それは失礼よ
私はこれが好きで使っているんだからいいじゃない

それもその通りだと思う
事務所でも能率ばかりが大事ではない

昔のお得意様との取引の記録がしっかりあれば
ずいぶんと違う商売になるだろうとも思う
儲けは少ないかもしれないが報われる気分は大きいかもしれない

こころと事務所と自分の部屋はそれぞれ違うけれど
いずれにしても捨てるシステムを考えれば
現在の景色が違ってくるかもしれない

心のことは捨てようと思って捨てられるわけでもないけれど
いま自分の心のリビングルームがあるとして
そこに何を置くかは決められると思う
逆に何を引き出しにしまってしまうかを決められる

捨ててしまえばいいものもあると思うが
きっぱり忘れられるものか
それともコンピュータのように
ゴミ箱に一時的に入っているだけで
検索でひっかかるものか
よく分からない
捨てるというよりは
潜在的な記憶の領域に移動すると言った方が適切なのかもしれない

すべては脳に刻み込まれている
ただそれを自由に再生できるかどうかは保証がない
そんな表現が正しいかもしれない