セカンドオピニオン(second opinion)

セカンドオピニオン(second opinion)
たとえば家を建てる時に、鉄筋か木造か両方の専門家の意見を聞いてみたい。またたとえば、資産運用について、ドル預金はいまなのか、もっと先なのか、ユーロにしたらいいのか、それぞれの専門家の意見を参考にしたい。
医療の分野でも同様で、どんな検査が必要か、検査結果をどのように解釈するか、治療方針について、入院は必要か、手術はどの術式がいいか、薬剤選択はどうするか、どのような選択をした場合にどのような結果が予想され、どのような人生が考えられるか、などについて、主治医以外の考えも聞いてみることをセカンドオピニオンを求めるという。主治医はそのためにこれまでの経過、諸データ、患者の背景、自分の考える方針を診療情報提供書にまとめて提供する。
患者さんにすれば、「主治医を信用していないと思われるのではないか」「転院するしかないのではないか」などの心配はあるだろうが、「セカンドオピニオンというのはどうでしようか」と素直に尋ねればいいと思う。主治医は完全にひとりの判断で決定していることは少なく、同僚医者、検査、看護、心理職などと情報交換しており、ここでもうひとり医者が加わったとしても、あまり問題はない。場合によっては転院になってもまったく問題はない。治療内容が同じだったとしても、患者さんが一番納得できる環境で治療を受ければ、それはよいことだろう。
複数の医師で意見がかなり異なった場合には、患者本人が決定しなければならないのであるが、それが難しい場合には、サードオピニオンを求めればよい。どこかで納得できる医者と出会えるはずだと思う。
実際の場面では、どのような治療でどのような結果、というあたりではあまり違いはないだろうと思う。むしろ、治療の結果、どのような人生になりそうか、そこで人生観が問題となり、その人生観を共有できる医師と出会うことが大切なのではないかと思う。たとえば、もう妊娠はあきらめましょうとか、いやあきらめないでもう一度、とか。子育てを優先して仕事は辞めましょうとか、仕事は息子に任せて治療に専念しましょうとか、そのあたりの人生の選択について共感できるかどうかが大きな要素ではないかと思う。